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現実の世界と月の二つある世界、「1984年」と「1Q84年」がパラレルワールドとして交錯しながら、その中で10歳で離れ離れとなりながら、今もって思いを寄せている共に30歳となる「青豆」という女と「天吾」という男がそれぞれの人生を懸命に、でも拘泥することなくクールに生きている。そして、私より5つ年上であるこの二人が、「ふかえり」という少女が紡ぎだす「リトル・ピープル」や「空気さなぎ」という得たいの知れない物語に巻き込まれ、包み込まれていく。ついでに「猫のまち」も出てくる。
青豆の章と天吾の章が交替で展開されるのは、僕(カラスと呼ばれる少年)とナカタさんの章が交替で展開される「海辺のカフカ」と同じ手法。同級生の恋愛という意味では、「ノルウェイの森」と共通するところがある。だからといって一括りにするのはあまりに乱暴な例えではあるが、「1Q84」は、「ノルウェイの森」や「海辺のカフカ」などのこれまでの村上作品の集大成として一つの到達点に至った作品、と評価しても良いのではないか。それくらい完成度が高いし、これまでの作品に比べても読みやすく分かりやすい。
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