

ここしばらく、土日に所要が入り家でゆっくりとする時間が少なかったため、久しぶりにのんびりとした休日。
ブルックナーの交響曲(第八番、第9番)を聴きました。全曲を通して聴いたのはいつ以来でしょうか。とにかくブルックナーは長いのです。
あるオーケストラのトランペット奏者が「マーラーはインターバルトレーニング、ブルックナーはマラソン」と言っていました。確かに同じ20世紀初頭の素晴らしい、でも長い交響曲をしっかりと9曲ずつしたためた大作曲家(これは本当に不思議です。ブルックナーには0番がありますが「抹消」されたものです。また、マーラーに10番がありますが未完ですし、「大地の歌」は交響曲に位置づけられていません。ベートーヴェンへの敬意?それとも呪い?)でもその曲想は大きく異なっています。もちろんどちらも好きですが気分によって聞き分けています。
ブルックナーを聴くようになったのは、6年ほど前に単身赴任したてのころです。それまでは、いくら良くても通した演奏が100分近くにもなる交響曲は敬遠していました。でも、単身赴任は時間がたっぷり。料理、家事をやっても土日に家にいると相当な時間が余ります。そこを埋めてくれたのがブルックナーを中心としたクラシックの名曲でした。
一番好きなのは世間の評判と同じですがやはり「第八番」です。特に第四楽章の始まりの部分。本当に静かな心が洗われる第三楽章のアダージョが終わった後に突然始まる金管のファンファーレに心が気持ちよく高揚していきます。
ブルックナーの指揮者として世界的に有名だった故朝比奈隆氏はこの部分は「騎馬隊の行進にならないように」と注意を与えていたということです。確かに騎馬隊となると品格はなくなりますが、その辺は良い演奏と微妙な紙一重の感覚のよう。でも、この部分が決まっていると全体がしっかりとまとまります。
クラシックの作曲家の中でブルックナーほど熱狂的で執着心を持ったファンがいる作曲家は少ないのではないかと思います。クラシックに興味のない多くの人には名前さえもあまり知られていないにもかかわらず、です。インターネットのサイトでも様々なブルックナーの人と音楽についての解説が多くあり、それも尋常の知識ではない専門的なものがほとんどです。それと、敬虔なキリスト教徒であったブルックナーらしく宗教的なまじめなサイトが多いのが特徴でしょう。
今日はちょっとした梅雨の合間の晴れ模様でしたが、次第に曇ってきて夜には雨。ブルックナーを聴いて、書の半切作品も書いてゆっくりと身体と心の静養になった一日でした。




